ベトナムの長期ロックダウン、世界のアパレル大手に打撃
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■生産拠点の移転も
ナイキは先週、スポーツウエアの在庫不足を訴え、売り上げ見通しを下方修正した。中でもベトナムを名指しし、国内工場の半分近く、南部に限ると8割の工場が閉鎖していると説明した。ナイキは靴製品の約半数をベトナムで生産している。
カジュアル衣料品チェーン「ユニクロ(UNIQLO)」を傘下に置くファーストリテイリング(Fast Retailing)もセーターやスエットパンツ、パーカなどの入荷が滞っているのは、ベトナムの状況によるものだとしている。
さらにアディダスは、ベトナムを含むサプライチェーンの支障により、年末までに5億ユーロ(約650億円)相当の売り上げ減となる見通しを発表している。
ベトナム経済の中心地、南部ホーチミン(Ho Chi Minh)のロックダウンは1日、解除された。だが、製造業への長期的な影響を懸念する人は多く、ナイキとアディダスは生産拠点の一時的な移転を検討していると認めた。
米国、欧州連合(EU)、韓国、東南アジア諸国を代表する複数の経済団体は、ベトナムのファム・ミン・チン(Pham Minh Chinh)首相宛ての書簡で、生産拠点移転の可能性を警告した。加盟企業全体の20%がすでに移転済みだという。(c)AFP/Tran Thi Minh Ha with Alice Philipson in Hong Kong