【9月30日 AFP】オランダの尊厳死協会で会長を務める男が29日、自殺ほう助の疑いで逮捕された。検察と同協会が明らかにした。

 逮捕されたのは、「最期の遺志協会(CLW)」のヨス・ファンベイク(Jos van Wijk)会長(73)。同協会は、医師や当局の関与なしに自らの意思で安楽死する権利を求め活動を行っている。

 オランダは2002年に世界で初めて安楽死と自殺ほう助を合法化したが、医師が関わることが条件とされている。検察は、ファンベイク容疑者が「自殺ほう助の実行と計画を目的とした犯罪組織に参加した疑いがある」としている。

 CLWはAFPへの電子メールで、会長の逮捕に対する「遺憾」を表明。「CLWは2013年の設立以来、意識的に法の範囲内で行動してきた」と主張した。弁護人のティム・フィス(Tim Vis)氏は、ファンベイク容疑者が容疑を「断固否定」しているとし、逮捕は「信じられないほど過激」なものだと指摘した。

 オランダでは、安楽死と自殺ほう助に関する厳格な規則が法律で定められている。条件として、患者の精神状態が明瞭であり、2人以上の医師によって治療が不可能と診断された症状により耐えがたい苦痛を経験していることが必要とされる。安楽死の方法は、承認された薬剤を医師が投与するか、医師が提供した薬剤を本人が自ら使用する形がとられている。(c)AFP