【9月29日 AFP】スペイン領カナリア諸島(Canary Islands)のクンブレビエハ(Cumbre Vieja)火山の噴火で、災害当局は29日、溶岩流が海に達した際に出る有毒ガスが住民に悪影響を与えるリスクは「低い」との見方を示した。

 8万5000人が暮らすラパルマ(La Palma)島のクンブレビエハ火山は、今月19日に噴火した。

 溶岩流はゆっくりと海に向かい、28日午後11時(日本時間29日午前7時)すぎに海に流れ込んだ。

 専門家は先に、高温の溶岩が海水と接触すると酸性ガスが発生する可能性が高いと警告していた。酸性ガスは皮膚や目、気管を刺激し、呼吸障害を引き起こす恐れがある。

 だが、カナリア諸島の火山非常事態委員会「ペボルカ(PEVOLCA)」のルベン・フェルナンデス(Ruben Fernandez)委員長は公共放送ラジオに対し、強風により「ガスが沖へ吹き飛ばされている」ため、当初懸念されたよりも「地元住民へのリスクは低くなった」と述べた。

 今回の火山噴火では、6000人以上が自宅からの避難を余儀なくされたが、死傷者は出ていない。(c)AFP