【9月29日 AFP】ボクシングで8階級制覇を誇るフィリピンの英雄マニー・パッキャオ(Manny Pacquiao)が29日、現役引退を表明した。

 母国の上院議員で、2022年の大統領選に立候補しているパッキャオは、グローブを手放すことは人生で「最も難しい決断」だと語った。

 42歳のパッキャオはツイッター(Twitter)に投稿したビデオメッセージの中で「ボクサーとしての自分の時間が終わったことを受け入れるのは難しい」とした上で、「本日、私は引退を表明する」と述べた。

 世界中の何百万人ものファンに対して感謝したパッキャオは、長年のトレーナーであるフレディ・ローチ(Freddy Roach)氏を「家族であり、兄弟であり、友人」と表現。

 そしてボクシングは「貧困から抜け出すために闘うチャンス」と「より多くの人生を変えるための勇気」を与えてくれたと語り、「自分の人生でやってきたこと、成し遂げてきたことを決して忘れはしない。最後のゴングを聞いたとは思えない」と続けた。

 史上最高のボクサーの一人と称されるパッキャオは、そのパンチ力と貧困からボクシング界の頂点に上り詰めたことで、フィリピン国内では憧れの的となっている。

 パッキャオは、8月21日に米ラスベガス(Las Vegas)で行われたヨルデニス・ウガス(Yordenis Ugas、キューバ)との一戦で黒星を喫した。

 2010年には下院議員として政界進出を果たし、その後上院議員となったパッキャオは、9月19日には大統領選出馬を表明した。(c)AFP/Allison JACKSON