中国、「夜間経済」に活気
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【9月30日 People’s Daily】9月5日、中国国際サービス貿易交易会(CIFTIS)2021の北京飲食ブランド大会が北京国家会議センターで行われた。北京市商業局では「深夜食堂」など特色あるレストラン街と市内の生活サービスネットワークマップを打ち出した。北京の「夜間経済」の繁栄と発展を促す主旨だ。
夜間経済はすでに都市商業の重要な要素となっており、都市ごとの特色や活力を示す有力なメディアである。今年7月、中国文化旅行省は200以上の国家レベルの夜間文化旅行消費エリアの建設を求めた。中国商業省が都市住民の消費週間について調査したリポートによれば、60%の消費が夜間に行われ、大型ショッピングモールは毎日18時から22時の売り上げが1日の売り上げ全体の5割以上を占めていた。夜間経済はすでに、都市の経済力を測る重要な指標なのだ。
目下、中国の少なからぬ都市がすでに成熟した夜間経済モデルを模索している。例えば、上海は「国際的」「上海らしさ」「トレンディー」をテーマに、ナイトライフエリアを造設している。西安(Xi’an)は唐代の文化を古都らしい観光の看板として掲げる。武漢(Wuhan)や南京(Nanjing)なども、その町らしさを夜間経済の看板として打ち出している。
艾メディアリサーチ(iiMedia Research)のデータによれば、2020年の中国における夜間経済の発展規模は30兆元(約517兆円)を超え、2021年の発展規模は36兆元(約620兆円)に達する見込みだ。
人々の生活水準が向上するにつれ、ますます多くの消費者が楽しみや趣味の勉強、健康のための運動など文化的消費に関心を払うようになった。消費者のニーズのアップグレードにより応えるべく、夜間経済の質の向上は各地でより関心を集めている。
今年4月、天津市(Tianjin)商業局が発行した「天津市2021年夜間経済発展の重点プロジェクト」では、「夜津城」をテーマに夜間経済モデル地区の向上を続け、夜市エリアでの演劇上演や音楽フェス、イマーシブシアターなどの活動をサポートする。今年6月には、上海のブランド書店30店が同時に「深夜書店フェスティバル」を開催し、本のテーマ展示・文化講座・ライブストリーミング・芸術鑑賞など、70あまりの「夜読書」活動を行う。文化的観光産業を活用し、夜間経済に文化の香りをもたらす。
「中国における夜間経済の発展には巨大な潜在マーケットがひそんでおり、飲食・ショッピング・ナイトスポットなどの消費形式ではもはや消費者のニーズを満たすことはできず、健康や文化、レジャーなどの要素が欠かせないものになってきました」と、中国旅行研究院の戴斌(Dai Bin)院長は語る。消費者の精神的ニーズに注目し、夜間経済における業態・サービス・商品を刷新することが、夜間経済が一歩前進する突破口となる。(c)People’s Daily/AFPBB News