【9月29日 People’s Daily】中国と欧州を結ぶ国際定期貨物列車、中欧班列X8015便が8月31日、自働車部品、電子製品、日用品、防疫物資などを積み、呉家山(Wujiashan)始発駅で警笛を鳴らし、ドイツ・デュイスブルクに向けて出発した。同便は、今年武漢を出発した1万本目の中欧班列となった。

「中欧班列の運行は力強い成長傾向を保っている」と、中国国家鉄路集団有限公司貨物輸送部の責任者が述べた。紹介によると、中欧班列は2020年5月から16か月連続で月間1000本以上運行し、2021年5月からは4か月連続で月間1300本以上運行し、国際産業チェーンの安定の保障、国内外の双循環の促進に積極的な貢献を果たしたという。

 データによると、今年8月まで、中欧班列の運行本数は累計1万30本、コンテナ96万4000TEUを運送し、前年同期比でそれぞれ32%、40%増となった。往復総合重箱率は97.9%に達し、昨年より2か月早く年間1万本の運行本数を達成した。

 年間1万本運行の早期実現の背景には、管理の最適化、効率の向上、口岸(出入境審査場)通過能力の大幅な向上がある。

「われわれは絶えず作業の流れを最適化し、中欧班列の積み替え時間を圧縮し、作業効率を高め、『デジタル化口岸』システムの応用を着実に進めている。阿拉山口(Alataw Pass)口岸に出入りする中欧班列は今年に入って4000本を超えた」と、中国鉄道阿拉山口駅荷役現場の高強(Gao Qiang)副主任は述べた。

 今年に入って、阿拉山口、霍爾果斯(Khorgos)、満洲里(Manzhouli)などの口岸駅は拡張改造プロジェクトを実施し、中欧班列の出入国ルートの能力を効果的に向上させた。1月から8月にかけ、西・中・東ルートを通る中欧班列は前年同期比でそれぞれ37%、15%、35%増となった。鉄道部門はまた口岸監督管理部門と積極的に協力し、通関利便化措置を実行し、通関能力と作業効率を向上させ、輸送時間を効果的に圧縮した。

 隆基緑能科技株式有限会社物流部門シニアマネジャーの王博(Wang Bo)氏が計算した結果、鉄道部門の企業にオーダーメードした太陽光発電製品特別列車では、従来の運送方式に比べ、運送時間が半分に短縮されただけでなく、倉庫保管コストもかなり節約されたのだという。「中欧班列は大幅にコロナ禍の企業経営への影響を低減させ、ヨーロッパの顧客向けの常態化物流方式になった」と、王氏は述べた。

 今年に入って、対外貿易企業とのドッキングを強化し、物流需要をリアルタイムで把握し、各地域の鉄道部門は次々と輸送案を正確に策定している。

 河南省(Henan)では、初のイタリア・ミラノと河南鄭州(Zhengzhou)間の中欧班列が圃田(Putian)駅に無事到着し、鄭州発の中欧班列の目的駅が10か所に増えた。福建省(Fujian)では、初の「大紅袍号」中欧班列が武夷山陸地港からロシア・モスクワに向けて出発し、「万里の茶道」の「一帯一路(Belt and Road)」への統合を促進した。山西省(Shanxi)では、フランスのパリ、トルコのメルシンに直行する中欧班列が初運行し、貨物品目は金属製品、農産物、電気機械設備など数十種類をカバーした。

 現在、中欧班列は73本の運行路線を敷設し、ヨーロッパの23か国の170余りの都市をつなぎ、輸送貨物は5万種類余りに達し、国内外の生産協同・連動を実現し、企業の物流コストを下げ、「一帯一路」沿線国と地域の経済・社会発展のために輸送を支えている。(c)People’s Daily/AFPBB News