【9月29日 AFP】(写真追加)菅義偉(Yoshihide Suga)首相の後任を決める自民党総裁選が29日行われ、岸田文雄(Fumio Kishida)前政調会長が新総裁に選出された。

 岸田氏は、10月4日に開かれる臨時国会での首相指名選挙を経て第100代首相に就任し、その後予定される総選挙に臨む。

 今回立候補したのは、河野太郎(Taro Kono)行政改革担当相、岸田氏、高市早苗(Sanae Takaichi)前総務相、野田聖子(Seiko Noda)幹事長代行。有力な女性政治家が少ない日本では珍しく男女2人ずつの出馬となった。

 総裁選は382票の「国会議員票」と同数の「党員・党友票」をめぐって行われた。しかし1回目の投票で過半数に達した候補がいなかったため、岸田、河野両氏の上位2人で国会議員票382票と都道府県連票47票をめぐる決選投票が行われた。

 岸田氏は外相や、党内では政調会長を務めた。選挙戦では、記録的な低支持率を招いた菅政権の新型コロナウイルス対応に対する国民の不満を受け、コロナ対策強化を訴えた。また聞き上手といわれる岸田氏はインターネット上に目安箱を設け、国民からの要望や提案を募った。

 外相、防衛相などを歴任した河野氏は、日本の政治家に多く見られる慎重な姿勢とは異なる直接的なコミュニケーションを好み、ツイッター(Twitter)で200万人を超えるフォロワーと自由に交流している。一方、ツイッターで特定の人をブロックしたり、官僚にパワハラをしていると週刊誌に報じられたりし、尊大だとの批判を受けた。

 いずれの候補も、選出された場合、首相として新型コロナ禍収束後の経済復興や、北朝鮮や中国による脅威への対応など課題が山積しており、難しいかじ取りを迫られる。(c)AFP