【9月29日 AFP】米軍制服組トップのマーク・ミリー(Mark Milley)統合参謀本部議長らは28日、上院軍事委員会の公聴会に出席し、米部隊の一部のアフガニスタン駐留を継続すべきとジョー・バイデン(Joe Biden)大統領に進言していたことを明らかにした。

 ミリー氏と米中央軍(CENTCOM)のケネス・マッケンジー(Kenneth McKenzie)司令官は、アフガンに約2500人の兵士を残すようバイデン氏に進言していたと語った。

 6時間近く続いた公聴会にはロイド・オースティン(Lloyd Austin)国防長官も出席し、米軍のアフガン撤退や混乱を招いた首都カブールからの退避作戦について問われた。

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領がイスラム主義組織タリバン(Taliban)と結んだ合意を引き継いだバイデン氏は4月、米軍に8月31日までのアフガン完全撤退を命じた。

 ジェン・サキ(Jen Psaki)大統領報道官は、バイデン氏がアフガン駐留部隊をめぐり「相反する」提言を受けていたとした上で、「最終的に決断を下すのは最高司令官である大統領」であり、「バイデン氏は20年にわたる戦争を終わらせる時だと決断した」と語った。

 ミリー氏はアフガンの全権を掌握したタリバンについて、「これまでも、これからもテロ組織であり続ける」として、2001年9月11日の米同時多発攻撃を首謀した国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)との関係を断っていないと指摘した。

 さらに「タリバンが権力固めをできるか、アフガンが新たな内戦に突入することになるのかはまだ分からない」とした上で、「それでも、われわれはアフガン発のテロ攻撃から米国民を守り続けなければならない」と語った。

 また、米国への攻撃をもくろむアルカイダやイスラム国(IS)の復活は「現実的にあり得る」としながらも、その可能性を見極めるのは時期尚早だと述べた。(c)AFP/Chris Lefkow