【9月29日 AFP】英ロックバンド「ビートルズ(The Beatles)」の元メンバー、故ジョン・レノン(John Lennon)が1970年、デンマークの高校生グループによるインタビューに応じた際のやりとりを録音したカセットテープが28日、同国の首都コペンハーゲンで競売に掛けられ、4万9760ユーロ(約650万円)で落札された。レノンはテープの中で、未発表曲を歌ったり、ビートルズの中での自分のイメージについて不満をこぼしたりしている。

 33分間のテープは1970年1月5日、レノンが妻のオノ・ヨーコ(Yoko Ono)さんとデンマーク西部ユトランド(Jutland)半島の田舎町で冬を過ごしていた際に録音された。落札者は電話入札で参加した人物で、身元は公表されていない。テープには、高校生グループがレノンらを撮影したインスタント写真や、学校新聞も添えられた。

 当時、学校新聞の編集部員だった男子高校生4人は、憧れのスターにインタビューしようと、吹雪をかいくぐり、レノンが開いた記者会見に参加。インタビューに応じたレノンは、オノさんと共に取り組む平和運動や、自身の髪形、ビートルズの一員としてのイメージに対する不満など、さまざまな話題に触れたほか、「ラジオ・ピース(Radio Peace)」という未発表曲も披露した。

 夫妻がデンマークに到着したのは1969年12月。滞在の目的は、オノさんが前夫との間にもうけた娘のキョーコさんの将来について話し合うことだった。当時5歳だったキョーコさんは、ユトランド半島北部で父親と暮らしていた。

 ビートルズはその頃までに最後のアルバム「アビイ・ロード(Abbey Road)」を録音し終えており、公式には発表されていなかったものの、解散へと向かっていた。(c)AFP