【9月29日 Xinhua News】中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ、Huawei)はこのほど、本社を置く広東省(Guangdong)深圳市(Shenzhen)の坂田基地で、オープンソースの基本ソフト(OS)「欧拉(openEuler)」の最新版を発表した。

「欧拉」自体は新しいものではない。同社は2019年、サーバー向けプロセッサー「鯤鵬(Kunpeng)」戦略を発表した際に「欧拉」をオープンソース化する方針も明らかにしていた。OS大手十数社が「欧拉」をベースにした商用バージョンを既にリリースしており、政府や通信事業者、金融、電力など多くの分野で大規模に運用されている。

 今回発表されたのはアップグレード版で、位置付けも「デジタル・インフラ向けOS」へと変更された。サーバーだけでなく、クラウドコンピューティングやエッジコンピューティング、組み込みシステムなど各種機器にも対応する。将来的に「鴻蒙(Harmony)」と互換性を持たせ、「欧拉」を搭載する機器が「鴻蒙」搭載端末を自動的に識別・接続できるようになる。

 ファーウェイの徐直軍(Xu Zhijun)輪番会長は「中国の情報通信技術(ICT)産業は以前からチップとOSが不足していた。ファーウェイは『欧拉』と『鴻蒙』という全てのシーンをカバーするOSの製造工程を自社で持つ。しかも全てオープンソースであり、産業界に参入してもらいOS不足を共同で解消していく」と述べた。

 徐氏はファーウェイが今後、二つのOSを発展させていく方針を明らかにした。いずれもオープンソースで「鴻蒙」はスマート端末やモノのインターネット(IoT)端末、産業用端末向け、「欧拉」はサーバーやエッジコンピューティング、クラウド、組み込みシステム向けになる。(c)Xinhua News/AFPBB News