【10月2日 CGTN Japanese】タクラマカン砂漠はタリム盆地の中央にあり、中国最大の砂漠で、世界で2番目に大きい流動性砂漠でもあります。新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)和田(ホータン)地区民豊県で9月27日午前、最後の線路の敷設作業が完成し、タクラマカン砂漠を囲む鉄道の「ラストワンマイル」である和田と若羌(チャルクリク)県を結ぶ和若鉄道が全線完成し、2022年の開通に向けた確かな基礎が築かれました。 

 和若鉄道は全長約825キロで、2018年12月に着工し、新疆南部の和田地区と巴音郭楞蒙古(バインゴリン・モンゴル)自治州の若羌県を結びます。和若鉄道は、すでにある格爾木(ゴルムド)市と庫爾勒(コルラ)市を結ぶ格庫鉄道、喀什(カシュガル)市と和田を結ぶ喀和鉄道、南疆鉄道とつながり、タクラマカン砂漠を一周する世界初の砂漠を囲む鉄道網となります。 

 砂漠地帯での鉄道建設は、大きな温度差、強い風と砂ぼこり、干ばつや水不足などの難題に直面しています。特に和若鉄道は、全長約825キロの半分以上にあたる約538キロが砂漠地帯にあります。和若鉄道の建設にとって最大の課題は砂漠化の進行を防ぐ「防砂治砂」でした。 

 鉄道の両側に広い帯状のものがあるのが航空写真から分かります。これは、鉄道の建設と同時に建設された防砂帯です。 

 和若鉄道は中国の鉄道建設で初めて工事による防砂と植物による防砂を取り入れたプロジェクトです。ここ3年間、植物の活着率は85%に達し、著しい効果を見せています。和若鉄道は現在、中国国内で橋梁による防砂を実施した鉄道建設プロジェクトで距離が最も長いものでもあります。主な橋梁は5カ所あり、長さは40キロ以上に達しています。これらの橋梁により、砂嵐が線路と列車の運行に及ぼす影響は最小となっています。 

 和若鉄道の設計時速は120キロ。駅数は計20で、うち9駅が旅客輸送向けです。今後、駅数を65まで増やし、2022年6月末に開通の予定です。(c)CGTN Japanese/AFPBB News