【9月28日 AFP】アフガニスタンの首都カブールの広場では毎週末、柔道とレスリングを融合させたような競技の大会が開催されており、全国から集まった腕自慢が白熱した戦いを繰り広げている。

 大会は公式なものではないが、大勢のファンが集まる。同郷の選手の応援には熱が入り、相手選手にはやじを飛ばす。

 北部サマンガン(Samangan)州出身のムハンマド・アテフ(Mohammad Atef)さん(31)は、競技歴17年になる。

「サマンガンとクンドゥズ(Kunduz)、バグラン(Baghlan)の3州で人気だ」と話す。ジョズジャン(Jawzjan)州の州都シェベルガン(Sheberghan)も有名な格闘家が多い。

 特に北部で人気があり、村や地区ごとに試合が行われ、地方大会や全国大会に出場する選手が選ばれる。

 ルールも柔道とレスリングの混合だ。対戦相手は、体重と対戦成績によって決められる。

 ほぼ1、2分以内で勝敗が決まる試合が多い。結果にかかわらず、ハグを交わしたたえあう。

 投げ技で軽々と対戦相手を倒したアテフさんは、「きょうの相手はクンドゥズ出身だった」と語った。

 勝者には少額の賞金が出る。アフガニスタンで実権を握ったイスラム主義組織タリバン(Taliban)は賭けを禁じているが、観客の間では試合ごとに賭け金もこっそり動いている。

 観客にタリバンの姿はなかった。観客らは、タリバンは肉体的接触を伴う競技は避けていると語った。

 ある審判は「われわれは自分たちのために大会を運営している」と話した。「タリバンのためではない」

 映像は24日撮影。(c)AFP