【10月2日 People’s Daily】先ごろ、中国商務省は「都市商圏建設指針(意見募集稿)」を発表し、常住人口が1000万人を超える超巨大都市において、超巨大都市の特徴と都市のアップグレード・改造を組み合わせ、国内外の高級商業ブランドと資源の集積によって、世界トップクラスの商圏をつくり上げていくことを提案した。北京市、天津市(Tianjin)、上海市、重慶市(Chongqing)、広州市(Guangzhou)などの大都市はすでに国際的消費中心都市の育成・建設を率先して展開している。

 2018年12月、重慶の解放碑商店街は中国第一陣の商店街改造・向上試験区に選ばれた。同商圏CBD管理委員会は緑化、交通、ファサード、イルミネーションなどの重点分野に立脚し、商圏の品質を向上させ、より良い体験、より美しい環境で人気を集めている。昨年の社会消費財小売総額は924億元(約1兆5700億円)に達し、人流量は延べ1億6000万人分に達した。「世界トップクラスの商圏の建設は消費のアップグレードのニーズに合致し、伝統的なビジネスのモデル転換とアップグレードの推進や、ビジネスの集積効果の形成に役立つ」と、商務省研究院国際市場研究所の白明(Bai Ming)副所長は述べた。

「これまで多くの販促活動を行っていたが、顧客がどこにいるのかわからなかった。デジタル管理は従来の小売業の問題点を解決した」と、上海市南京西路の新世界城の呉勝軍(Wu Shengjun)副社長は述べた。大型ショッピングセンターとして、デジタル管理システムの開発・応用により、500社余りのサプライヤーによる約20万商品の情報をすべて登録し、在庫商品の販売、顧客の消費習慣、従業員の業績評価のリアルタイムのデータの見える化を実現することで、より正確に商品の構造を調整し、顧客のニーズを満たすことに役立てている。昨年、南京東路の新世界大丸は業界初のライブ配信ルームを作り、「売り場で商品の紹介を繰り返しライブ配信する」という販売モデルを打ち出した。ネット配信者がショッピングしながら紹介したり、ブランド営業員がオンラインのお客様をフォローしたり、オフラインと同じサービスを提供する。新世界大丸電子商取引管理部の馬牧(Ma Mu)部長によると、現在の1か月のオンライン売上高は昨年1年間分に等しい。専門家によると、ビッグデータ技術を活用して消費のインタラクションと運行モニタリングを強化し、商圏の客の流れ、業態、ブランド分析報告書を定期的に発表することで、事業者のサービスレベルのさらなる向上を強力にサポートしている。

 世界一番高い屋内ロッククライミング場、シーワールドの「水中飛天の舞い」など、今年の夏休み、上海新世界城で第1回体験祭が開催され、多彩なビジネスイベントが多くの若者を引きつけた。上海新世界股份有限公司の徐家平(Xu Jiaping)社長は、「3回のアップグレードをした新世界城は、伝統的なデパートから現代的な商業テーマランドに変貌した」と述べた。

 北京三里屯(Sanlitun)商圏は開放的な街区という独特の形態を利用し、各種の飲食店、バーなど国際多文化の特色を体現する消費シーンをつくり上げ、流行、ファッションの代名詞となっている。今年上半期に北京に進出した1号店(旗艦店を含む)は434軒で、そのうち三里屯には87軒が進出し、その割合は20%に達した。

 白副所長は、国際的消費中心都市の育成、世界トップクラスの商圏群の創設は、国内の大循環を主体とし、国内外の双循環の相互促進による新たな発展構図の構築の加速に役立つだろうと指摘した。(c)People’s Daily/AFPBB News