【9月29日 People’s Daily】中国の火星探査車「祝融号(Zhurong)」は8月30日現在、火星表面を100日間走行している。「祝融号」はこの100日で、着陸地点から南方向に計1064メートルを走行し、6台の科学ペイロードを搭載し、計約10GBの元データを取得した。現在、火星探査車のコンディションは良好で、エネルギーも十分だ。着陸地点より南のかつての海洋と陸地の境界域に向かって走行を続け、より豊富な科学探査データを取得する見込みだ。

 中国初の火星探査任務は5月15日に火星着陸に成功し、火星探査車「祝融号」は5月22日に無事に着陸台を離れ、火星表面に到達し、巡回探査を開始した。同プロジェクトの総設計師の張栄橋(Zhang Rongqiao)氏は、「祝融号」は現在、90火星日の既定の探査任務を円満に完了し、開拓任務の段階に入ったと述べた。 

 中国初の火星探査任務探査機システムの総設計師の孫澤洲(Sun Zezhou)氏は、「火星探査車は今回、熱制御においても一部の新技術を応用した。例えば、太陽熱集熱器で太陽エネルギーを熱エネルギーに変換し、火星探査車が火星の表面で、特に夜の時に比較的理想の温度を保てる。現在、軌道上の飛行状況を見たところは、われわれの予想通りだ」と述べた。

 周回機は8月30日現在、軌道上を403日間飛行し、地球から約3億9200万キロメートル離れたところにいる。現在、周回機、火星探査車の各設備の機能性能は良好で、エネルギーバランスも保たれ、各システムは正常に作動中だ。

 中国初の火星探査任務探査機地上応用システム総設計師の劉建軍(Liu Jianjun)氏によると、「祝融号」にはナビゲーション地形カメラ、マルチスペクトルカメラ、表面成分探査機、表面磁場探査機、次表層探査レーダー、気象測定器の6台の科学ペイロードが搭載されている。火星巡回探査の期間中、これらの設備は全て電源オンの状態にある。

 ナビゲーション地形カメラは沿道の地形データを取得し、火星探査車の経路計画と探査目標の選択を支援し、地形の特徴と地質構造の研究を展開するために使用する。次表層探査レーダーは地表下の階層構造データを取得し、浅い表層構造の分析に用い、地下水・氷の存在可能性を探る。気象測定器は気温、気圧、風速などの気象データを取得し、大気の物理的特徴の研究に用いる。表面磁場探査機は局所磁場データを取得し、周回機磁力計と協力して火星の磁場進化過程を探索する。表面成分探査機、マルチスペクトルカメラは特定の岩、土壌などの典型的な目標のスペクトルのデータを取得し、元素と鉱物の構成などの分析研究に使う。

 太陽雑音が終わった後、周回機は機をみてリモートセンシングの使命軌道に乗り、グローバルリモートセンシングを展開し、火星の形態と地質構造、表面物質成分と土壌タイプ分布、大気電離層、火星空間環境などの科学データを取得するとともに、火星探査車の開拓任務段階の中継通信を兼ねている。火星探査車は引き続き高効率の探査モードを維持し、「高難度」の探査を開始することが期待される。「今回の90火星日は比較的保守的だったが、後続の任務が進むにつれ、さらに限界のあるテストを行うことが可能になり、他の地球外天体の自主的な巡回探査任務のために、より豊富な経験と技術を蓄積することができるだろう」と、孫氏は述べた。(c)People’s Daily/AFPBB News