【9月28日 People’s Daily】英国のロイター通信(Reuters)はこのほど、人民元国際化指数(RII)が5年半ぶりに最高を記録したと報じた。米シティバンク銀行(Citibank)は2030年、人民元が日本円や英ポンドを抜いて世界3位の国際決済通貨になると予測した。

 2009年、越境貿易人民元決済の試行は、人民元国際化の序幕を開いた。十数年来、越境貿易から金融取引、公的備蓄に至るまで、人民元の市場化度合いと国際的な認知度は絶えず高まり、貿易・投資の利便化や金融イノベーションの発展、実体経済へのサービスなどの推進において重要な役割を果たしてきた。

 中国人民大学(Renmin University of China)国際貨幣研究所(IMI)が発表した人民元国際化指数は、2010年第1四半期の0.02から2020年第4四半期の5.02まで上昇し、この10年間で250倍以上になった。他通貨の国際指数では、同期間の米ドルの51.27、ユーロの26.17とはまだ差があるものの、日本円の4.91、英ポンドの4.15を上回り、3四半期連続、主要国際通貨ランキングで3位となった。

 資本勘定がまだ完全に開放されていないという大きな背景の下、ここ数年人民元の国際化の度合いが全体的に絶えず高まり、中国の特色を備えた通貨国際化の道が初歩的に模索された。その原因として、主に以下の点が挙げられる。

 第一に、実体経済は通貨国際化の礎石であり、中国経済が長期的に「危機のない成長」を維持していることは、人民元の国際化に強力な後ろ盾を提供している。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が全世界で猛威を振るい、世界経済全体が衰退に陥り、外部環境が日増しに厳しくなるという大きな背景のもと、中国は世界の主要経済体の中で唯一のプラス成長を実現し、人民元および人民元資産により大きな国際的自信と信任を与えた。

 第二に、中国はハイレベルな開放という大きな方向を一貫して堅持しており、人民元は徐々に世界規模でよりハイレベルの通貨機能を担うようになっている。越境貿易の人民元決済において、決済規模と比率は安定的に上昇している。人民元の金融取引では、人民元建て対外直接投資(ODI)と人民元建て対内直接投資(FDI)が着実に成長し、オフショア人民元建て債券市場の建設が引き続き推進され、資本市場開放のペースが持続的に加速し、デリバティブ市場の発展が躍進し、人民元建て資産が国際投資家に支持されている。世界の外貨準備高は、人民元がIMFの特別引出権(SDR)バスケットに採用されたことで、人民元の世界外貨準備高の規模が2016年の907億8000万ドル(約10兆円)から2020年には2694億9000万ドル(約29兆8000億円)へと、10四半期連続で増加した。

 第三に、人民元の国際協力とインフラ建設のレベルが絶え間なく上昇している。二国間通貨スワップ協定、人民元業務清算銀行の規模が絶えず拡大し、人民元の海外使用を容易にする。全国自由貿易区は人民元越境決済業務試行を展開し、粤港澳大湾区(広東・香港・マカオベイエリア)は、金融市場の相互接続を段階的に推進し、人民元の越境使用規模を徐々に拡大している。人民元越境決済システム(CIPS)の建設は比較的大きな効果を得ており、人民元の越境使用のために便宜を提供している。

 中国人民銀行が2008年以来、30以上の国・地域の中央銀行や通貨当局と二国間通貨スワップ協定に合意した。二国間通貨スワップは貿易投資の利便化を促進し、人民元の流動性供給の保障に役立つだけでなく、人民元のリスクの防止力を高め、「シグナル効果」を放ち、域外の人民元への信任を高めることができる。(c)People’s Daily/AFPBB News