【9月27日 People’s Daily】北京の2022年冬季オリンピック・パラリンピックがますます近づいてきた。「エコなオリンピック」は今回の冬季オリンピック・パラリンピックの理念の1つだ。

 かつて、河北省(Hebei)崇礼区(Chongli)では、山間で放牧をする習慣があり、そのために森林が減少し、生態系は局所的に退化していた。2014年以来、同区ではスキー場や遊歩道などの緑化に力を入れ、生態系保護地域の86%において農地開発や放牧を禁止した。生態系を優先し、緑化を推進した結果、自然と都市の環境も向上し、人々はスキーなどのスポーツを楽しむと同時に、自然の魅力を味わうことができるようになった。

 また、環境に配慮したオリンピック開催に重要なのは、主要産業の改革とアップグレードである。崇礼区はかつて鉱山が主要産業だったが、鉱山企業は計画的に撤退し、氷雪を利用した産業が参入してきた。現在、スキーレジャーとエコツーリズムなどの第3次産業が同区のGDP比において6割を占め、3万人以上が関連する仕事に就く。崇礼区における去年冬の受け入れ旅行客数はのべ235万人あまりにのぼり、同期比78%の伸びであった。

 加えて、特筆すべきはクリーンエネルギーであろう。張家口市(Zhangjiakou)は風力・太陽光資源が豊富で、去年末までの再生可能エネルギー発電容量は2003万キロワットに達した。競技場の通常電力は大部分がエコ発電でまかなわれており、張家口市内の発電企業12社が、経済利益と生態系の利益を両立し、発展を続けている。同時に、水素発電は将来的に冬季オリンピックの通勤車両に自然に優しい燃料を提供し、カーボンニュートラルの実現に一役買う。目下、張家口市では7つの水素関連のプロジェクトに投資をしており、23のプロジェクトが進行中だ。水素の製造・貯蔵などの基本的な設備や、燃料電池のコア部分や水素自動車の製造など、一連の産業チェーンを形成するのが狙いだ。

 エコなオリンピックの開催には、組織の編成も欠かせない。冬季オリンピック競技場で張家口市のエコ電力を使う利便性を上げるため、河北省では「張家口市カーボンニュートラル冬季オリンピックエコ電力交易実施要項」などの規定を定め、市場化を導入した。2019年には初めてエコ電力が売りに出され、2021年7月までに、多くの方式で売られたエコ電力は2億3000万キロワットにのぼり、その大半は北京の競技場がある地区に送られている。冬季オリンピック・パラリンピックが終わった後も、エコ電力の輸送は続けられる。

 近年、河北省ではすでにスキーの大会が4300回あまり行われ、2200万人が参加した。オリンピック・パラリンピックは同地にスキーを中心としたスポーツ文化や産業、旅行などの発展をもたらし、エコフレンドリーかつ質の高い発展を促すであろう。(c)People’s Daily/AFPBB News