【9月27日 Xinhua News】中国産業発展促進会バイオマス産業分会とドイツ国際協力公社(GIZ)、生態環境部環境工学評価センター、北京松杉低炭素技術研究院が共同でまとめた「3060ゼロカーボンのバイオマスエネルギー発展潜在力青書」がこのほど、北京で発表された。青書によると、二酸化炭素(CO2)回収・貯留技術(CCS)を組み合わせ、国内のバイオマスエネルギーを利用することで、2030年までに9億トン以上、60年までに20億トン以上のCO2が排出削減される。

 バイオマスは農林業系廃棄物や木材・森林残留物、都市の有機性廃棄物、藻類、エネルギー作物などから幅広く得ることができる。CCSと組み合わせることでネガティブエミッションの実現も可能で、環境修復にも寄与する。

 中国のバイオマス資源の年間発生量は約34億9400万トンで、バイオマスエネルギー開発の潜在力は標準炭換算で4億6千万トンに上る。

 経済発展と消費水準の向上に伴い、中国のバイオマス生産量は増加傾向を示し、総資源量の年間伸び率は1・1%以上で推移。30年には37億9500万トン、60年には53億4600万トンに達するとみられる。

 青書は中国のバイオマス発展について、社会各界の理解が不十分で、業界標準が整っておらず、統計・モニタリング体系が万全でないといった課題に直面していると指摘した。

 国家発展改革委員会エネルギー研究所再生可能エネルギー発展センターの任東明(Ren Dongming)主任は「中国がCO2排出量のピークアウトとカーボンニュートラルという目標を打ち出したことが、バイオマスの発展に新たなチャンスをもたらした。業界はこのチャンスを逃さず、国が展開する低炭素行動、グリーン取引システムに積極的に参加する必要がある」と述べた。(c)Xinhua News/AFPBB News