【9月26日 AFP】ドイツ連邦議会(下院)選挙の投票が26日、始まった。4期16年の任期を終えて政界を引退するアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相(67)の後継が誰になるかが焦点。

 投票は日本時間26日午後3時に始まり、同27日午前1時に締め切られる。最新の世論調査では、中道左派・社会民主党(SPD)のオラフ・ショルツ(Olaf Scholz)副首相兼財務相の支持率が、メルケル氏の所属する中道右派与党キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)のアルミン・ラシェット(Armin Laschet)党首を僅差で上回っている。

 2005年11月22日に初めて首相に就任したメルケル氏は、CDUが地方選挙で敗北を喫した直後の2018年10月、4期目を最後に政界を引退すると発表した。ドイツで現職の首相が立候補しない選挙は、1949年以来となる。

 在任期間は16年に及び、戦後ドイツ最長の故ヘルムート・コール(Helmut Kohl)氏(5869日)と肩を並べる。メルケル氏の指導力の下、ドイツは欧州の安定を指す代名詞とみなされてきた。

 だが、総選挙後は状況が変わる可能性が高い。政権獲得には3党の連立が必要になる見通しだ。最新の世論調査では、CDUとバイエルン州の姉妹政党キリスト教社会同盟(CSU)の連立与党の支持率は約22%で、戦後ドイツの選挙では最低となっている。

 どの政党が政権を担うかによって、ドイツの外交政策も様変わりするとみられる。(c)AFP