■「イスラム教を広める」ための代償

 日が沈むと、20人ほどのタリバンのメンバーがさらに集まって来た。砂利の上に敷物を敷き、夕闇の中で祈りをささげ始める。

 祈り終えると、パンやメロンを口にした。

 完全に日が暮れると、橋の下を何台もの車が通り過ぎ、水しぶきを上げながら対岸に渡って行った。

 以前は橋の上を通行できたが、昨年12月、カンダハルを孤立させようとしたタリバンが爆発物を満載した車を爆発させ、橋は崩落した。

 この攻撃では、他の多くの攻撃と同じように民間人も犠牲となった。だが、ムダシルさんは良心の呵責(かしゃく)を感じてはいないようだ。

 AFPに対し、そうした攻撃はタリバンが「この地域でイスラム教を広める」ための代償だと話した。

 それにより罪のない人が殺されたとしても、その人は「神に感謝できる。殉教するのは良いことだから」と続けた。(c)AFP/Emmanuel DUPARCQ