【9月25日 AFP】カナダ出身の元スーパーモデル、リンダ・エヴァンジェリスタ(Linda Evangelista)さん(56)が、脂肪を減らす美容整形術の副作用によって自身の容姿が損なわれ、仕事ができなくなったとして、整形術を手掛ける企業を相手取り5000万ドル(約55億円)の賠償金を求める訴訟を起こした。

 1990年代、シンディ・クロフォード(Cindy Crawford)さんやナオミ・キャンベル(Naomi Campbell)さんといった他のスーパーモデルと共にファッションショーで活躍したエヴァンジェリスタさんは22日、インスタグラム(Instagram)への投稿で、5年前に「クールスカルプティング」と呼ばれる治療を受けたところ、奇異性脂肪過形成という珍しい副作用によって脂肪細胞が減るどころか増えてしまったと告白。ここ数年、表舞台から遠ざかっていたのは施術により容姿が変わってしまったためだと説明した。

 エヴァンジェリスタさんは、治療の開発・販売元であるゼルティック(Zeltiq)社からは副作用の可能性については一切説明を受けなかったと主張。今週、ニューヨークの連邦裁判所に提訴した。

 弁護団は訴状で、エヴァンジェリスタさんが受けた「深刻で永久的な人身被害と容姿の変形、痛みと苦しみ、深刻な感情的苦痛と精神的苦しみに加え、雇用不適任とされ、モデルとして収入を得られなくなったために被った経済的損失」に対する賠償を請求した。

 弁護団は、ゼルティックが治療によって脂肪細胞が増加する副作用のリスクを把握していたにもかかわらず、消費者への警告を怠ったと主張。エヴァンジェリスタさんは2016年以降、以前にした仕事の報酬を除き、モデル活動による収入が一切なくなり、公の場にも出られなくなったとしている。(c)AFP