【9月24日 AFP】ロシア非常事態省は24日、最高峰エルブルース(Mount Elbrus)で暴風雪が発生し、登山者5人が死亡したと発表した。近年同山で起きた中で、最多の死者を出した事故の一つとなった。

 エルブルースは、ロシアの北カフカス(North Caucasus)地方にある休火山で、高さ5642メートル。ロシアと欧州を含めた地域で最も高い。

 一行は23日、標高5000メートルを超える地点で嵐に見舞われた。登山会社エルブルース・ガイド(Elbrus.Guide)によると、一行にはプロのガイド4人が同行しており、残る14人は救助された。

 同社はインスタグラム(Instagram)への投稿で、登山中に1人の具合が悪くなり、ガイド1人と共に引き返したが、後にガイドの「腕の中で」死亡したと明らかにした。同ガイドは数時間他のメンバーを待ったが、後にベースキャンプに戻り、救助を要請した。

 同社によると、残りのメンバーは登頂を続けたが、下山時に「前例のない嵐」に見舞われた。1人が脚を骨折して、一行の歩行速度はさらに遅くなり、2人が凍死、さらに2人が意識を失い、搬送中に亡くなったという。

 保健省の現地当局は、現在11人が入院中で、うち2人は集中治療室(ICU)で治療を受けていると明かした。

 また捜査当局は、「健康と安全に関する要件を満たさない」サービスを提供した疑いで、刑事捜査を開始したと発表した。

 エルブルース地方は、夏季には登山やハイキングに大勢が訪れ、冬場はスキーリゾートとして人気がある。

 登頂の技術的な難易度は高くないとされるものの、頂上を目指す際の死亡事故が毎年複数発生している。(c)AFP/Anastasia CLARK