【9月24日 AFP】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-un)朝鮮労働党総書記の妹、金与正(キム・ヨジョン、Kim Yo-jong)党副部長は24日、韓国が朝鮮戦争(Korean War)の正式な終戦を提案したことについて、提案自体は「称賛に値する」としながらも、その前に韓国は北朝鮮に対する「敵視政策」を撤回すべきだと訴えた。国営朝鮮中央通信(KCNA)が、与正氏の談話として伝えた。

 この談話は、韓国の文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-in)大統領が先に、朝鮮戦争の正式な終結を呼び掛けたことを受けて出されたもの。1950~53年の朝鮮戦争では、平和条約ではなく休戦協定が結ばれたため、厳密には半世紀以上にわたって戦争状態が続いている。

 文氏は今週、米ニューヨークで開催された国連総会(UN General Assembly)で行った演説の中で、71年前に始まった戦争の終結宣言を提案。実現すれば「非核化が不可逆的な進歩を遂げ、完全な平和の時代につながるだろう」と強調していた。

 正恩氏の主要な政策顧問である与正氏は、正式な終戦の提案は「称賛に値する考え」ではあるものの、まず韓国政府が敵対的な態度を改めるべきだと主張。

「裏表のある基準、偏見、敵視政策」が残る中で終戦宣言を行っても「全く意味を成さない」と指摘し、現状のまま宣言をしても「筋が通らず、何も変わらない」と断じた。

 その一方で、もし韓国が「われわれへの挑発を繰り返してきた過去と決別」し、敵対行為をやめるなら、北朝鮮は関係改善に向けた対話に応じる用意があると述べた。(c)AFP