【9月25日 AFP】「聖水」でスリランカの新型コロナウイルス流行を収束させられると主張し物議を醸したシャーマンが、同ウイルスに感染して死亡した。家族が23日、明らかにした。

 首相らも治療してきたエリヤンタ・ホワイト(Eliyantha White)氏(48)は昨年11月、自身が祈祷(きとう)を施した「聖水」を川に注げばスリランカと隣国インドの新型コロナ流行を収束させることができると主張していた。

 パウィトゥラ・ワンニアラッチ(Pavithra Wanniarachchi)保健相もホワイト氏の主張を支持していたが、今年1月に新型コロナに感染し、集中治療室(ICU)に入った。

 ホワイト氏は2010年、12歳の時から「特別な力」を持っていたとAFPに語っていた。

 家族によると、ホワイト氏は新型コロナワクチンの接種を拒否していた。

 ホワイト氏の遺体は23日、最大都市コロンボ(Colombo)の墓地で、新型コロナ対策の規則に従って火葬された。

 マヒンダ・ラジャパクサ(Mahinda Rajapaksa)首相はツイッター(Twitter)で、「ホワイト氏のレガシーは、彼が触れて病を治した人々の中で生き続ける」と述べた。

 ホワイト氏はインド古来の伝統医学アーユルベーダの手法を使っていると主張していたが、アーユルベーダの専門医は同氏の主張を否定。現代医学の医師は、ホワイト氏を詐欺師としている。

 スリランカでは、新型コロナでこれまでに50万人以上が感染し、1万2000人以上が死亡した。(c)AFP