【9月24日 AFP】米国で2万3000年前の人類の足跡が見つかったとする研究論文が23日、米科学誌サイエンス(Science)に発表された。人類の北米定住は1万6000年前とされているが、それを大幅にさかのぼる可能性があることを示唆するものだ。

 足跡は、ニューメキシコ州の砂漠にあるかつて湖のほとりだった場所で見つかった。泥に残された足跡が堆積物で埋まり石化したことで保存された。

 論文によると「多くの足跡は10代を中心とする子どものものと思われ、成人の大きな足跡は子どものものほど見られない」。

 これを説明する仮説として、大人が技術が必要な仕事を担当し、子どもが「運搬」を担当する分業が行われていたことが考えられる。「10代の子どもに年下の子どもたちが同行していたため、多くの足跡がまとまった形で残った」とする説だ。

 研究チームは、人類がこの湖を訪れたのとほぼ同時期に生息していたと思われるマンモスや古代オオカミ、オオナマケモノの足跡も発見した。

 人類が米大陸に定住した時期は、地球上に氷床が最も広く存在していた「最終氷期極大期」が終わった後とする見方が一般的だ。極大期には北米の大部分が氷に覆われ、アジアからの人類の移動が非常に困難だったと考えられているため、今回の発見は一石を投じるものだ。(c)AFP