【9月24日 AFP】ラグビーオーストラリア代表を率いるデイブ・レニー(Dave Rennie)ヘッドコーチ(HC)は23日、フルコンタクトの練習に制限を設けることを提案したワールドラグビー(World Rugby)の新たな指針について、弊害がもたらされる可能性があり、取り締まりも難しいとして疑問を呈した。

 統括団体のワールドラグビーは22日、世界の約600人の選手を対象とした研究を基に、負傷を減らすための指針を発表。強制力はないが、体をぶつけ合うフルコンタクトの練習を週に最大15分間、最大2日間までに制限し、回復と準備のために、月曜日と金曜日をフルコンタクトの練習を全く行わない日にすることを提案した。

 管理下でのコンタクト練習については、週最大40分に制限し、いかなるコンタクトも行わない日を少なくとも1日設けることが推奨されている。また、セットピースの実践トレーニングに関しては、週に最大30分までとなっている。

 まだ指針を完全に理解していないというレニーHCは、ワラビーズ(Wallabies、オーストラリア代表の愛称)が21日に行ったコンタクト練習は8分程度だったとし、それを週15分に制限することは難しい可能性があると指摘。

 地元タウンズビル(Townsville)で行われる南半球4か国対抗戦、ザ・ラグビーチャンピオンシップ(The Rugby Championship 2021)のアルゼンチン戦を控えた記者会見で、「誰がその時間を計る? これらの数字をはじき出すまでに多くの作業を要したと思うが、うまくいくかは確信がない」と述べた。

 また、「35~40パーセントのけがはトレーニング中でのもので、60~65パーセントは試合中でのものだ」と続け、「練習では選手のコンディションを高め、コンタクトによる負荷をかけることで、実際の試合で対処できるようにしたり、必要な技術を身に付けさせたりする」と話した。

「けがを減らすことが注視されているが、最も重要なのは選手たちがコンタクトに対処する技術や知識を得られるようにすることだ」 (c)AFP