【9月24日 AFP】中国は23日、台湾が「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP、通称TPP11)」への加入を申請したことを受け、台湾の加入に反対すると表明した。中国は先週、CPTPPへの加入を正式に申請したばかり。

 アジア太平洋地域の11か国が2018年に署名したCPTPPは、同域最大の自由貿易協定(FTA)で、世界経済の約13.5%を占める。加入へ向け数年にわたり働き掛けを続けてきた台湾は23日、正式に加入を申請した。

 だが、台湾を自国領土の一部と見なす中国は、台湾の加入は認められるべきではないと主張。中国外務省の趙立堅(Zhao Lijian)報道官は記者会見で「わが国は、いかなる国であっても台湾と公式な交流を持つことに断固反対する。また、いかなる公式な条約や機関であっても、台湾地区を加入させることに断固反対する」と述べた。

 CPTPPの前身の環太平洋連携協定(TPP)では当初、アジア太平洋地域での影響力強化を目指す米国が協議を主導。独自の地域協定を持つ中国の締め出しが念頭にあった。しかし米国は2017年、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前政権下でTPPから離脱した。

 CPTPPに現在参加しているのは、日本、オーストラリア、カナダ、ベトナム、シンガポール、マレーシア、ブルネイ、ニュージーランド、チリ、ペルー、メキシコ。新規加入には全参加国の同意が必要で、中国と台湾はいずれも、支持の取り付けに苦心する可能性がある。(c)AFP