【9月23日 AFP】アフリカ系米国人の作家、映画監督として草分け的存在だったメルヴィン・ヴァン・ピーブルズ(Melvin Van Peebles)氏が21日、死去した。89歳。同氏の1971年の革新的な黒人映画『スウィート・スウィートバック(Sweet Sweetback's Baadasssss Song)』は、後続世代の黒人映画監督に大きな影響を与えた。

 ヴァン・ピーブルズ氏の息子で俳優のマリオ・ヴァン・ピーブルズ(Mario Van Peebles)さんと、名作映画ソフト販売の米クライテリオン・コレクション(The Criterion Collection)は、「現代黒人映画の創始者」とも呼ばれたヴァン・ピーブルズ氏が21日夜、家族にみとられ自宅で死去したと発表した。

 低予算で制作された『スウィート・スウィートバック』は、黒人民族主義組織「ブラックパンサー党(Black Panther Party)」のメンバーに暴力を振るっていた警官2人を殺害してしまった、セックスショーの役者を主人公とする物語。

 同作は「ブラックスプロイテーション」と呼ばれる「黒人向けの黒人映画」時代の先駆けとなり、スパイク・リー(Spike Lee)氏やバリー・ジェンキンズ(Barry Jenkins)氏をはじめとする後続世代の映画監督に影響を与えた。(c)AFP