【9月23日 AFP】紛争で荒廃した北東アフリカのソマリアで22日、厳戒態勢の中、30年ぶりに映画が上映された。会場となったのは1967年に中国建国の父、毛沢東(Mao Zedong)から寄贈され、中国人技師が建設した国立劇場だ。また、同劇場でソマリア映画が上映されたのは今回が初となる。

 1991年に始まった内戦下では、国立劇場は自爆攻撃の標的にされたり、武装組織の拠点として使われたりしていた。

 ソマリアは文化再生を目指している。国立劇場のディレクター、アブディカディル・アブディ・ユスフ(Abdikadir Abdi Yusuf)氏は上映前、「ソマリア国民にとって歴史的な夜になる。長年の苦難の末に(中略)どのようにして希望が復活したかを示すものだ」と語った。

 かつてソマリアでは大衆文化が栄え、首都モガディシオには多くの映画館があった。国立劇場でもコンサートや演劇の公演が行われていたが、内戦が始まり、首都の文化の火は消えてしまっていた。(c)AFP/Mustafa Haji Abdinur