【9月23日 Xinhua News】中国金融情報サービス大手、万得信息技術(Wind)のデータによると、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の天然ガス先物相場は続騰し、過去最高値を更新した。業界関係者は、天然ガスの価格上昇が短期的に続くと見ている。

 天然ガスはクリーンな一次エネルギーとして、エネルギー構造の転換を進める期間にエネルギーの安全を保障する役割を担っている。中国石油大手の中国石油天然気(ペトロチャイナ)は2021~25年、中国の天然ガス需要が年平均7~9%のペースで増加すると予想している。

 中国の天然ガス消費の海外依存度は現時点で比較的高い。中泰証券は、天然ガス市場化改革の加速に伴い、天然ガス価格体系が徐々に市場化されるとの見通しを示した。

 海関(税関)総署のデータによると、中国の8月の天然ガス輸入量は1044万1千トン、1~8月は前年同期比22・2%増の7930万6千トン、1トン当たりの平均輸入価格は2401・7元(1元=約17円)だった。国家統計局のデータによると、8月は天然ガス輸入価格の急騰の影響を受け、国内のガス生産・供給価格は1・7%上昇し、上昇幅は1・5ポイント拡大した。

 世界の20年の天然ガス生産量は前年比3・3%減の3兆8500億立方メートル、消費量は2・3%減の3兆8200億立方メートルだった。世界の新型コロナウイルスの感染状況が落ち着き、経済が回復するにつれ、世界の天然ガス需要は回復する見通し。国際エネルギー機関(IEA)は、天然ガスの需要が今後数年、持続的に増加すると予想する。中でも、21年の世界需要は3・6ポイント上昇し、24年には4兆3千億立方メートルに上る可能性があるとした。

 中郵証券は、過去5年のデータを見ると、アジア太平洋地域の天然ガス消費の増加分は世界全体の43%に相当し、中でも中国の消費量が際立っていると指摘した。

 中国の今年上半期(1~6月)の天然ガス需要は急増した。中国国家発展改革委員会のデータによると、上半期の見かけ消費量は前年同期比17・4%増の1827億立方メートルだった。

 天風証券は、主要上場企業が液化天然ガス(LNG)資源を重視しているとし、今後のガス業界の方向性になると見ている。(c)Xinhua News/AFPBB News