【9月23日 AFP】ラオスの洞窟に生息するコウモリが、ヒトに直接感染する恐れがあり、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に似たウイルスを保有していることが確認された。SARS-CoV-2の起源を解明する上での新たな手掛かりとなる。

 2019年末に中国で確認されて以来、数百万人が死亡しているSARS-CoV-2の起源については今も論争が続き、動物由来説や研究所流出説などが挙がっている。

 今回、仏パスツール研究所(Pasteur Institute)とラオス国立大学(National University of Laos)の研究チームは、中国に隣接するラオス北部の鍾乳洞に生息するコウモリ類に、SARS-CoV-2に遺伝的に近いウイルスが「自然に存在する」ことを確認した。

 ラオスのビエンチャン特別市で検査したコウモリ数百匹で確認されたウイルスのうち3種類がSARS-CoV-2に酷似しており、特にヒトの細胞に取り付く仕組みが似ていることが分かった。

 パスツール研究所で病原体発見チームを率いるマルク・エロワ(Marc Eloit)氏はAFPの取材に対し、新型コロナのパンデミック(世界的な大流行)の起源を明らかにするためにサンプル分析を行ったと語った。

 エロワ氏は、確認されたウイルスとSARS-CoV-2の間にはまだ重要な違いがあるが、今回の研究はパンデミックの起源を特定する上で「大きな前進」であり、コウモリ由来説を裏付けるものだと述べた。(c)AFP/Kelly MACNAMARA