【9月24日 Xinhua News】中国四川省(Sichuan)の成都博物館で17日、「中国医学の美を見つける─中国伝統医薬文物特別展」が開幕した。数多くの展示品を通し、中医薬が数千年にわたって受け継がれてきた理由や病気の治療方法を紹介している。

 同展は中国伝統の医薬文物をテーマに、故宮博物院や中国社会科学院考古研究所、上海中医薬大学など、国内数十の機関が所蔵する展示品300点(セット)余りを一堂に展示している。展示品の中には、河南省(Henan)安陽市(Anyang)の殷墟(Yinxu)から出土した亀甲、湖南省(Hunan)長沙市(Changsha)馬王堆(Mawangdui)漢墓の帛書(はくしょ、絹に書かれた文書)、成都市(Chengdu)老官山漢墓の竹簡「天回医簡」、甘粛省(Gansu)武威市(Wuwei)の医薬簡牘(かんどく)、河南省洛陽市(Luoyang)竜門石窟の石刻、敦煌莫高窟で見つかった医学書の複製品、河北省(Hebei)保定市(Baoding)満城漢墓の投薬器、陝西省(Shaanxi)西安市(Xi'an)何家村窖蔵(こうぞう、穴蔵)の薬箱など、貴重な文化財が数多く含まれている。

 展示は五つのエリアに分かれ、殷墟、馬王堆漢墓、老官山、何家村など、多くの重要な考古学的発見を含んでいる。老官山漢墓から出土した「天回医簡」と「経穴漆人」からは、中医学における鍼灸学の成果が見て取れる。馬王堆漢墓から出土した「養生方」は、世界に現存する最古の養生学の文献の一つで、敦煌文書(もんじょ)には世界最古の国家薬典「新修本草」のほか、世界最古の食事療法の専門書「食療本草」が含まれている。

 中医薬には草薬(草や根などを材料として作った薬)や鍼灸、抜罐(ばっかん、カッピング)のほか、「外科手術」もある。同展で展示されている明代の有名な医師、夏顴(Xia Quan)の墓から出土した外科手術用メスは、現代のメスの原形を有している。

 特別展を企画した杜康(Du Kang)氏は、中医薬の美しさは「求真」と「行善」にあると説明。「求真」は生命と病気の法則を探求すること、「行善」は患者が苦痛を抜け出す手助けをするために努力することを意味する。

 同展の会期は12月12日まで。(c)Xinhua News/AFPBB News