【9月21日 AFP】アフガニスタンの実権を握ったイスラム主義組織タリバン(Taliban)は、女性の就労を阻んだり、女子が中等教育を受ける機会を奪ったりするなど、女性の権利制限を強めており、国内では不安が高まっている。

 タリバンは1990年代の第1次政権で敷いていた残忍で抑圧的な統治体制を軟化すると宣言したものの、復権後の1か月で次々と自由を剥奪している。

 外務省の上級職を解かれた女性は、報復を恐れ匿名でAFPの取材に応じ、「死んだ方がましだ」と語った。「私は部門を統括する責任者で、多くの女性が一緒に働いていた……。今は皆、職を失っている」

 首都カブールの市長代理は、役所で現在女性が担当している仕事は今後、男性が担当すると説明。タリバン政権は女性の就労禁止方針を正式に示してはいないが、個々の政府関係者の指示によって女性は職場から事実上排除されている。

 教育省は先週末、男性の教師と生徒に中等教育への復帰を命じたが、国内に数百万人いる女性の教師や生徒については言及しなかった。男性のみで構成される現政権はまた、前政権の女性問題省を閉鎖し、第1次タリバン政権時代に宗教規範の執行機関として悪名を得ていた「勧善懲悪省」に置き換えたとみられることも明らかになっている。(c)AFP