【9月20日 AFP】サッカー元イングランド代表で、トッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)の歴代最多得点者であるジミー・グリーブス(Jimmy Greaves)氏が、19日に81歳で死去した。元チームメートは「史上最高の点取り屋」と哀悼の意を表している。

 サッカー史上でもとりわけ個性豊かで、チェルシー(Chelsea)でも活躍したグリーブス氏は、2015年に脳卒中の発作を起こして車いす生活になり、しゃべるのも難しくなっていた。そして19日の朝、自宅で息を引き取った。

 トッテナムは「偉大なジミー・グリーブス氏が死去したという知らせを非常に悲しんでいる。彼はトッテナム・ホットスパーの歴代最多得点者というだけでなく、この国で史上最も優れた点取り屋だった」と発表した。

 同日行われたチェルシー戦では、感動的なセレモニーが行われた。トッテナム時代にチームメートだったアラン・マレリー(Alan Mullery)氏が「ピッチに立つジミーが、サイドキックでGKの脇を抜くシュートを決めるところが今でも思い浮かぶ。素晴らしいサッカー選手で、史上最高の点取り屋だった」と悼んだ。

「彼は楽しみながらゴールを決めた。まったくボールに触っていなくて周囲がイライラしていたら、ドカンときてネットが揺れているということがよくあった」

 グリーブス氏の得点率は驚異的で、イングランド1部リーグで通算357ゴールという記録は今も史上最多となっている。欧州5大リーグでの通算366ゴールも、2016-17シーズンにクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)に抜かれるまで1位だった。

 代表では57試合に出場して44点をマーク。1962年のW杯チリ大会(1962 World Cup)では全4試合に出場したが、優勝した4年後の母国大会では、すねのけがにより準々決勝でジェフ・ハースト(Geoff Hurst)氏にポジションを譲り、負傷が癒えた決勝でも出場しなかったことが話題を呼んだ。しかしチームはハースト氏がウェンブリー・スタジアム(Wembley Stadium)でハットトリックを決め、西ドイツを破ってW杯優勝を果たした。

 引退後は、アルコール依存症との長く苦しい闘いが続いていた。(c)AFP