【9月19日 AFP】オーストラリアのスコット・モリソン(Scott Morrison)首相は19日、自国が破棄したフランスとの潜水艦共同開発契約について、「数か月前から」仏側に懸念を示していたと述べ、豪州が「うそをついた」と非難する仏政府に反論した。

 モリソン氏はシドニーで記者団に対し、「フランスのアタック級潜水艦の性能がオーストラリアの戦略的利益と一致しないことに対して、われわれが重大で深い懸念を抱いていたことを把握できたはず」と主張。「オーストラリアの国益に基づいて決定するとの立場を明確にしていた」と述べた。

 またフランス側の期待に沿えなかったことは理解しているとしながらも、「自国の国益を最優先するという決断に後悔はない。今後も絶対にない」と強調した。

 豪政府は契約破棄の決断について強気の姿勢を見せており、ピーター・ダットン(Peter Dutton)豪国防相は、契約への懸念について豪政府が仏政府に対し「率直で、隠し立てせず、正直」だったと主張。

 サイモン・バーミンガム(Simon Birmingham)豪金融相も、「公になる前の最も早い時期」に懸念を伝えていたと語った。

 一方でバーミンガム氏は「仏政府の継続的な当該地域への関与は重要だ」と述べ、「将来にわたる仏政府および閣僚との強固な関係を再構築することの重要性を、われわれは軽視していない」と強調した。(c)AFP/Holly Robertson, and Stuart Williams in Paris