【9月19日 AFP】米当局は18日、メキシコとの国境に位置するテキサス州デルリオ(Del Rio)に押し寄せている1万人を超える不法移民を国外退去させるため、航空便の数を増やしていくと発表した。

 不法移民らはカリブ海(Caribbean Sea)の島国ハイチの出身者が中心で、リオグランデ(Rio Grande)川の上に架かるデルリオ国際橋(Del Rio International Bridge)の下の、税関・国境警備局(CBP)が管理する区域に押し込められている。

 デルリオのブルーノ・ロサノ(Bruno Lozano)市長は記者団に対し、1万4000人を超える不法移民らが「拘束されるのを待っている状態」だと説明。地元当局と連邦当局が退去に向けて人員やバス、航空機を派遣していると述べた。

 米国土安全保障省は、72時間以内に「退去のペースを加速させるために追加の移動手段を確保し、ハイチ行きなどの国外退去便を増やす」と発表。また、ジョー・バイデン(Joe Biden)政権が「混雑を緩和し、米本土にいる移民の状況を改善するため」に行動しており、「出身国や通過する周辺各国」と協力していると説明した。

 テキサス州の共和党議員からは、バイデン大統領に対する批判が上がっている。テッド・クルーズ(Ted Cruz)上院議員はツイッター(Twitter)への投稿で、「実際に起こっていることを見れば、バイデン政権の非人道的な政策が理にかなっていないことが分かる」と批判した。

 米政府は7月と8月に国境で過去10年で最多となる20万人以上の不法移民の対応に当たっており、その多くを国外退去させている。(c)AFP/Paul Ratje