Q:問題点は?

A:一言で言えば、負債だ。

 恒大はここ数年、中国国内の不動産バブルを追い風に買収を積極的に行ってきた。

 しかし今月に入ってから、負債総額が1兆9700億元(約33兆5000億円)に膨れ上がっていることを公表し、「デフォルト(債務不履行)に陥るリスク」があると警告した。

 格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービス(Moody's Investors Service)に続き、フィッチ・レーティングス(Fitch Ratings)とスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)も恒大の格付けを相次いで引き下げた。

 恒大の株価は、今年になって約80%下落した。請負業者やサプライヤーからは支払いが滞っているとの苦情が聞かれ、また債権者からも返済を求める声が上がっている。

 恒大と投資家の双方は、約1300億元(約2兆2000億円)の返済に関して合意したものの、同社の返済能力は疑問視されている。

 恒大は13日、経営破綻は回避できると主張したが、翌14日、「否定的な報道が続いている」ことから今月も不動産販売に悪影響が出ているとして、キャッシュフローと流動性が大きく圧迫されかねないとの考えを示した。深セン(Shenzhen)の本社には、多数の投資家が抗議に押し掛ける事態となった。