【9月20日 AFP】中国の不動産開発大手、恒大集団(Evergrande Group)が、巨額の債務を抱えて経営破綻の瀬戸際に追い込まれている。国内最大級の民間複合企業である同社は急成長を遂げてきたが、財務の健全性に対する懸念から、今年に入って株価は香港株式市場で急落している。

 国内で20万人の直接雇用と380万人の間接雇用を創出しているとする同社は、破綻の回避に努めていると主張している。同社の破綻は、中国経済のみならず、場合によっては世界経済にも波及しかねない。

 恒大に関する情報をQ&A形式でまとめた。

Q:恒大とは?

A:中国最大級の民間企業で、不動産開発大手。280以上の都市で事業を展開している。中国政府が推し進めてきた改革開放路線の下、ここ数十年間、不動産開発事業で急成長してきた。

 同社の許家印(Xu Jiayin、広東語ではHui Ka Yan)会長は、一時は中国一の富豪に上り詰めたが、2017年に430億ドル(約4兆7000億円)あった資産は、現在は90億ドル(約9900億円)を下回っている。

Q:事業内容は?

A:中核は不動産業だが、近年は多角化を進めている。

 中国ではサッカークラブの広州FC(Guangzhou FC、前身は広州恒大:Guangzhou Evergrande FC)の運営母体として広く知られている。

 ミネラルウオーターや食品の販売も手掛け、観光業、インターネット関連サービス、保険、ヘルスケアにも投資。子ども向けのテーマパークも建設し、ディズニーランド(Disneyland)より広いとうたっている。

 2019年には電気自動車(EV)開発を手掛ける「恒大新能源汽車集団(Evergrande NEV)」を設立した。ただし、市場に投入されている車種はない。