【9月17日 CNS】20年待ちに待った、ユニバーサル・北京・リゾート(Universal Beijing Resort)がついにオープンした。

 アジアで3番目、世界で5番目のユニバーサル・スタジオ(Universal Sudios)となり、これまでの「ユニバーサル・ファミリー」の中で最大規模だ。名前からしてその違いがわかるだろう。ユニバーサル・スタジオ・北京(Universal Beijing Resort)、略してUBR。「ユニバーサル・ファミリー」の中で、同じ「Resort」という名前が付けられているのはユニバーサル・オーランド・リゾート(Universal Orlando Resort)だけ、中国で肩を並べるのは上海ディズニーランド(Shanghai Disneyland)だけだ。

 カンフー・パンダ(Kung Fu Panda)、トランスフォーマー(Transformers)、ハリー・ポッター(Harry Potter)など、映画世界の裏には現実の経済要素が隠されている。大金をつぎ込んで建設されたテーマパークが「お金を吸引する磁石」となることを期待される。

「シティアベニュー」はUBRの一部で、小売り、飲食、娯楽を一体化した複合型商業施設で、観光客がユニバーサル・スタジオ・北京に来る最初の駅であり、最後の駅でもある。老舗レストランや映画館などが並ぶ。

 ユニバーサル・スタジオ・北京には現在、2つのリゾートホテルがある。ユニバーサル・スタジオ・ホテルと諾金(NUO)リゾートホテルだ。このうち、前者は世界で初めて「ユニバーサル・スタジオ」というブランドネームを冠したホテルだ。

 全体的に、UBRは「三段階」の発展経路を計画する。すなわち、導入・参考、消化・吸収・革新・発展だ。将来的には、独自の知的財産権(IP)を持つ、中国文化のIPを中心とした景勝地を打ち出し、観光商品、文化商品などの派生商品の開発を行い、完全なIPチェーンを形成し、中国の優れた文化の世界的な影響力を高める計画だ。

 元北京市旅遊局副局長の温子吉(Wen Ziji)氏も、ユニバーサル・スタジオの北京進出は将来的に、同スタジオの川上製品、映画制作、映画企画、アニメ・漫画企画に大きな魅力を生むだろうとみている。映画やテレビ作品のポスト・プロダクションもこのエリアに集中する見通しだ。派生商品の多くは、観光商品の産業チェーンの形成を促進する。

 IP関連商品を生産する工場に注文が殺到するだろう。例えば、「UNIVERSAL」がプリントされたカルチャーシャツ、「ポッタリアン」たちを興奮させた魔法使いのローブ、ミニオンズのリュックサックや各種関連グッズのコップ、ぬいぐるみなど、巨大な消費意欲は直接川上製造業の生産をけん引する。

 また、スーパーIPを現地化する過程では中国産設備が多用され、中国人エンジニアが全面的に参加し、ユニバーサル・スタジオ・北京は「メイド・イン・チャイナ」技術レベルの展示場となっている。

 旅行業界のベテランアナリストである東亜前海証券研究所の賀燕青(He Yanqing)所長は、ユニバーサル・スタジオ・北京の設立は、北京市、天津市(Tianjin)、河北省(Hebei)の市場に対する集客促進効果が、上海ディズニーランドの促進効果をやや上回ると見ている。賀所長は、定着後の年間観光客数はのべ約1500万-2000万人に達する見込みで、客単価1500元(約2万5500円)で試算すると、定着後の年間売上高は約250億〜300億元(約4254億〜5105億円)になるだろうと推測する。

 文化・旅行の「モンスター」プロジェクトと呼ばれるUBRの波及効果がさらに期待されている。UBR総裁兼マネジャーによると、その波及効果はUBRの収益の15倍以上になるだろうという。(c)CNS-新京報/JCM/AFPBB News