【9月16日 AFP】オランダ・ハーグ(The Hague)の国際刑事裁判所(ICC)は15日、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領が推し進める「麻薬戦争」で、民間人が不当かつ組織的に殺害された疑いがあるとして、本格捜査の実施を許可した。

 ICCの判事らは、同国で多数の死者を出している麻薬犯罪取り締まりで、人道に対する罪に相当する殺人行為があったと判断するに足る「合理的な根拠」があると指摘した。

 ドゥテルテ氏は2019年、ICCがこの問題についての予備調査を開始したことを受け、フィリピンをICCから脱退させた。しかしICCは、フィリピンが加盟中に起きた犯罪行為については今も管轄権があるとしている。

 ICCの判事らは、「いわゆる『麻薬戦争』運動は、正当な法執行活動とはみなされない。殺害は正当なものではなく、正当な活動における単なる過剰行為ともみなされない」と言明。「国家政策の順守または促進のために、民間人に対する広範かつ組織的な攻撃が行われた」証拠があるとの見解を示した。(c)AFP/Jan Hennop