【9月16日 AFP】ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)英首相は15日、内閣改造を実施した。新型コロナウイルス対策やアフガニスタン、税制をめぐる論争に揺れる政権の立て直しが狙いで、批判の的となっていたドミニク・ラーブ(Dominic Raab)外相が降格された。

 英首相官邸によると、ラーブ氏は外相から下位閣僚職の司法相に降格されたが、副首相の肩書きは維持する。ラーブ氏は、昨年4月にジョンソン氏が新型コロナウイルス感染で集中治療を受けていた際に首相代行を務めたが、最近ではアフガン問題への対応をめぐり批判を受けていた。

 新外相には、今年1月に英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)が完了して以来、一連の協定締約を仲介してきたリズ・トラス(Liz Truss)国際貿易相が任命された。英国史上2人目の女性外相となる。

 その他の主要閣僚では、コロナ禍中に大規模な経済対策を担当したリシ・スナク(Rishi Sunak)財務相と、強硬派のプリティ・パテル(Priti Patel)内相が留任。一方で、失言の多いギャビン・ウィリアムソン(Gavin Williamson)教育相は解任された。

 英国は、数年にわたり続いたEU離脱手続きを終えた後、新型コロナウイルスの流行に見舞われた。人口当たりの死者数は世界で最高水準に達し、ジョンソン氏率いる保守党政権は感染拡大の抑え込みに苦戦してきた。

 ジョンソン政権の支持率は、英国が欧米諸国の中でも早期に大規模なワクチン接種計画を実施したことで上昇。しかし最近の世論調査では、野党・労働党に追い上げられている。

 ジョンソン氏は先週、増税をしないという公約を破り、国営の国民保険サービス(NHS)と高齢者介護の財源不足に対応するための増税を発表した。(c)AFP/Jitendra Joshi