【10月3日 AFP】3000種以上のチョウが生息する南米コロンビアで、その撮影に情熱を傾ける男性がいる。

 農学者のフアン・ギジェルモ・ハラミージョ(Juan Guillermo Jaramillo)氏(65)はかつて動物用飼料の事業を営みながら、バードウオッチャーとして鳥の写真を撮影していた。

 だが数年前、ハラミージョ氏はまるでさなぎから成虫に姿を変えるように新たな世界を切り開き、今ではコロンビアのチョウを知る第一人者と目されている。

 鳥を撮影する傍らでチョウの写真を撮ったハラミージョ氏は、その色や形に驚嘆。それを機に目の前に広大なチョウの世界が広がった。

 観察した鳥の目録を編さんしたことがあったハラミージョ氏は、今度はチョウの目録に着手した。共同作成者となった「コロンビアのチョウリスト(Checklist of Colombian Butterflies)」は、世界最多のチョウのコレクションを所蔵する英自然史博物館(Natural History Museum)で今年6月に公開された。

 この目録によって、コロンビアに生息しているチョウの種は世界で最も多様であることが知られるようになった。

 地球上の昆虫の中でチョウとガは、甲虫(こうちゅう)類に次いで種類が多く、約16万種が知られている。

 ハラミージョ氏らの目録にはコロンビアのチョウ3642種が掲載されており、これは世界で知られているチョウの19.4%に当たる。

 北西部アンティオキア(Antioquia)州在住のハラミージョ氏は、これまでにチョウ1500種、22万枚の写真を撮影した。自分はチョウを殺して箱の中に収める収集家ではないとハラミージョ氏は強調する。

 仕事を引退したハラミージョ氏は所有する農場に近い静かな道路に立ち、日が昇り暖まった空気に乗ってチョウが舞い始める時が、撮影にうってつけなのだと語った。

 しかし日が暮れてもハラミージョ氏の作業は終わらない。夜はガを撮影するのだ。「チョウとガ。この人生だけではなく、さらに10回分の人生はやることがある」と話した。(c)AFP/Hector Velasco