【9月15日 AFP】米司法省は14日、首を圧迫する「チョークホールド」と呼ばれる拘束手法を一部例外を除いて禁止し、無断の家宅捜索は厳しく制限すると発表した。

 米国では警察による拘束時に黒人が死亡する事件が複数発生し、それらの中でチョークホールドや無断の家宅捜索が問題となっていた。

 昨年5月にはミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)で、アフリカ系米国人のジョージ・フロイド(George Floyd)さんが警官に膝で10分近く首を圧迫されて死亡。事件後、人種差別と警察の暴力に抗議するデモが全米に広がった。

 司法省は今回、チョークホールドや「頸(けい)動脈を圧迫する手法」の使用を禁止した。ただし「警官や第三者に差し迫った死の危険や深刻な身体的危害をもたらすと警官が合理的に確信した場合」は例外として、そうした手法の行使を認めている。

 また、無断の家宅捜索は「訪問時の合図や立ち入りの事前通告によって、警官や第三者が差し迫った身体的暴力の脅威にさらされると判断する合理的根拠がある場合」のみに制限された。

 米上院では現在、共和党が「ジョージ・フロイド法案」と呼ばれる警察改革法案の可決を阻止している。

 民主党が多数派の下院を通過した同法案は、すでに多くの警察機関が独自に禁止しているチョークホールドについて、全米1万8000の警察機関での禁止を定めている。(c)AFP