【9月18日 AFP】南米で2番目に長いパラナ川(Rio Parana)の水位が低下し、観測史上最低を記録した1944年のレベルに迫っている。原因は気候変動の影響なのか、それとも自然のサイクルの一部なのか、環境保護活動家や専門家は頭を悩ませている。

 川の水位が非常に低下し、今では商船の運航から発電、漁業、観光業、飲料水・かんがい用水の供給にまで影響が出ている。

 パラナ川は世界最大級の地下淡水源、グアラニ(Guarani)帯水層につながっており、ブラジル、パラグアイ、アルゼンチンを流れる全長4000キロ以上の大河だ。

 アルゼンチン・サンタフェ(Santa Fe)のリトラル国立大学(National University of the Littoral)のカルロス・ラモネル(Carlos Ramonell)教授(地質学)は、「ブラジルのダムや森林伐採、気候変動が原因だと言われているが、科学的立場からは何とも言えない。雨不足のせいなのは明らかだが、何が雨不足を引き起こしているのだろうか」と言う。

 パラナ川の平均流量は毎秒1万7000立方メートルだが、現在は毎秒6200立方メートルにまで減少している。観測史上最低を記録した1944年の毎秒5800立方メートルに迫る少なさだ。

 ラモネル氏は、「水位低下が自然の変化の一つである可能性も否定できない」と語る。ダムがなく、森林伐採や地球温暖化の危機もなかった1世紀前にも同様の自然のサイクルが発生していたと指摘する。

 映像は8月18~22日撮影。(c)AFP/Magali CERVANTES, with Sonia AVALOS in Buenos Aires and Hugo OLAZAR in Asuncion