【9月16日 People’s Daily】中国国家統計局がこのほど発表したデータによると、2020年の中国経済成長の新たな原動力指数は前年比35.3%増の440.3だった。「結果から、2020年には、新型コロナウイルスの感染拡大による深刻な衝撃に見舞われたが、新産業、新業態、新ビジネスモデルを主とした経済成長の新たな原動力が逆境の中でも成長を遂げ、経済は良好で強靱(きょうじん)な活力を示し、経済の質の高い発展を推進する強力な支えとなっていることが明らかになった」と、同局統計科学研究所の閭海琪(Lv Haiqi)所長は述べた。

 経済成長の新たな原動力指数は、新産業、新業態、新ビジネスモデル(略称「三新」)を主な内容とする統計指標体系で、新たな原動力の経済成長の傾向とプロセスを反映するものだ。インターネット経済指数、経済活力指数、イノベーション駆動指数、知的能力指数、モデルチェンジ・アップグレード指数の5大分類指標を含む。

「三新」経済成長の新しい状況や特徴に基づき、今回の試算では従来の統計指標体系を改訂・完備した。最新の指標体系によると、2015~2020年の中国経済成長新たな原動力指数は前年比それぞれ19.6%増の119.6、22.8%増の146.9、30.2%増の191.2、34.9%増の257.9、26.2%増の325.5、35.3%増の440.3だった。

 2020年の各分類指数はいずれも上昇し、そのうちインターネット経済指数は前年比54.8%増の1323.6となり、指数全体の成長への寄与率は81.7%となった。インターネット経済指数の成長が最も速く、指数全体の成長への寄与度が最も大きい。

 ネットユーザーの拡大が続いている。2020年末、中国のモバイルインターネットユーザー数は前年比2.3%増の13億4900万世帯に達した。モバイルインターネットトラフィックは1656億GBに達し、2019年の1.36倍、2014年の80.3倍となった。固定ブロードバンドの加入者数は、前年比7.6%増の4億8000万世帯となった。

 新しい業態が次々と出現している。オンライン事務、遠隔診療、無接触配送などの業務が幅広く展開され、2020年、中国のECプラットフォームの取引高は37兆2千億元(約634兆4600億円)に達し、比較可能な指標に換算すると、前年比で4.5%増となった。

 新しい消費が急成長している。2020年、全国のオンライン小売り売上高は11兆7600億元(約200兆5700億円)で、比較可能な指標に換算すると、前年比10.9%増となった。「感染拡大対策の下で出現した消費の新需要に適応し、オンライン小売りの新業態が絶え間なく現れ、消費シーンが深く開拓されている」と、閭所長が紹介した。

 2020年、全国の研究開発(R&D)経費の対GDP比は2.4%で、前年比0.16ポイント増加した。R&D人員1万人当たりの特許ライセンス件数は4639件で、前年比34.6%増、2014年比2.1倍と大幅に増加した。技術市場の成約金額は前年比26.1%増の2兆8251億5000万元(約48兆1600億円)で、技術要素市場の急成長が続いている。

「昨年、『三新』の経済的付加価値がGDPに占める比率は約17.08%で、経済成長の新たな原動力がより力強くなっている」と、国務院発展研究センターの竜海波(Long Haibo)研究員は述べた。

 ハイテク製造業の比率は引き続き高まっている。2020年、中国のハイテク製造業の付加価値は前年比7.1%増加し、一定規模以上の工業の付加価値の伸び率を4.3ポイント上回った。一定規模以上の工業付加価値に占める割合は15.1%に達し、前年比で0.7ポイント増加した。産業はクラスター化、情報化、インテリジェント化の発展傾向を呈している。(c)People’s Daily/AFPBB News