【9月15日 People’s Daily】中国浙江省(Zhejiang)杭州市(Hangzhou)では、デジタル資源と科学技術が基本的なガバナンスを支えている。住民のSOS情報とボランティアをマッチングさせる「時間銀行」もその一例である。

「時間銀行」は同地域で模索・設立された相互ボランティアのサービスモデルである。ボランティアは自分がボランティアした時間を「貯蓄」しておき、自分が助けを必要としている時、貯蓄した時間の分だけ他の人から助けてもらうのだ。これは人々の生活上起きる問題を解決するだけでなく、地域内の相互扶助を促進する。

 一か月あまり前、西湖区蒋村街道の住民区に住む王さんは妻が入院し、一人暮らしをすることになった。王さんの娘、王秀芝(Wang Xiuzhi)さんによれば、以前は頻繁に実家へ帰って両親の様子を見ていたが、病院に行って母の面倒を見なければならず、父親の世話に手が回らなくなった。先日台風が来た時にも父親は1人で家におり、秀芝さんはさらに焦りをつのらせた。

 どうすることもできなかった秀芝さんに、周囲の人々は「時間銀行」を勧めた。「美麗西湖」というアプリの「文明大脳」という総合デジタルプラットフォームに「時間銀行」は入っており、そこでSOS情報を出すと、同じ社区のボランティアが引き受けてくれる仕組みだ。とにかく試してみようという気持ちで、秀芝さんは父の介護を手伝ってくれるよう情報を出した。近所に住むボランティアの馬軍(Ma Jun)さんがそれを見るとすぐ、ボランティア活動を引き受けてくれた。その夜、馬さんは温かい食事を持って王さんの家を訪れ、これからも介護ボランティアを続けると請け合ってくれた。

 近隣の人々の温かさに王さんは大層喜んだ。「『時間銀行』は素晴らしいです。私達が生活する上で抱える問題を解決してくれ、近所の人々との関係も近くなりました」と、絶賛を送る。

 蒋村街道共産党幹部の厳超(Yan Chao)書記が言うには、「時間銀行」は近隣住民の相互扶助を促進している。「以前はみな、ボランティアに参加するためにはまず社区ごとの組織に入っていましたが、現在はオンラインで引き受けるようになり、活気が出て便利になりました。今年4月にリリースして以来、この社区では356人のボランティアが1680回以上のボランティア活動を実施しました」。厳氏によれば、西湖区が出している「文明大脳」というプラットフォームは、各部門にかんする医療健康サービス・健康のための運動サービス・ボランティアなど8分野4万以上のデジタル資源を集めてあり、行われている活動やサービス指標などさまざまな情報がオンタイムで分かるという。(c)People’s Daily/AFPBB News