【9月14日 Xinhua News】中秋節(旧暦8月15日、今年は9月21日)が近づく中、文化的な要素を取り入れたさまざまな「文創(文化クリエーティブ)月餅」が中国上海市に登場した。

 今年は、上海博物館と米ニューヨークのメトロポリタン美術館、中国の菓子の量り売りチェーン店「来伊份」の共同企画による「礼遇中西」シリーズの月餅が発売された。月餅の表面には有名な所蔵品や展示品をモチーフにした絵柄が施されており、中国人消費者の人気を集めている。

 同市の繁華街にある来伊份の店舗では、39・9元(1元=約17円)と100元前後の月餅詰め合わせが最も売れており、600元以上する「核月共賞-璽月」という名の月餅も売り切れになるほどの人気ぶり。これらの「文創月餅」は同社の電子商取引(EC)サイトでもよく売れているという。

 この「璽月(じげつ)」月餅詰め合わせは4個入りで、それぞれ上海博物館所蔵の「大克鼎(だいこくてい)」や同博物館入り口の石獅子、メトロポリタン美術館所蔵のカバの像(愛称ウィリアム)とテラコッタクラテール(古代ギリシアでワインと水を混ぜるのに使われた容器)をモチーフにした絵柄が月餅の表面に施されている。さらに、同博物館所蔵の「梅下賞月図」とメトロポリタン美術館所蔵のゴッホの作品「アイリス」をあしらった、磁器のカップとソーサー2客も付く。

 業界関係者は、このような創意工夫により、博物館の収蔵品を食品、外食業界で活用することが、ビジネス、観光、文化の融合・発展と各国文化の交流・継承にプラスとなるとの期待を示した。(c)Xinhua News/AFPBB News