【9月12日 AFP】オランダの司法当局は11日、フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)のファンの英国人男性(54)をイタリア・シチリア(Sicily)島のマフィアのボスだと誤認して逮捕したことを明らかにし、この男性を釈放した。

 英リバプール出身の男性は8日、オランダ・ハーグ(The Hague)のレストランで武装した警官隊に取り押さえられた。この逮捕劇に、居合わせた客らは騒然となった。

 これに先立ちイタリア当局は、男性を1993年から逃亡を続けるシチリア・マフィアのボス、マッテオ・メッシーナ・デナーロ(Matteo Messina Denaro)被告(59)とみて、国際手配していた。

 オランダの検察は「ハーグのレストランで逮捕された男性は、イタリア当局が行方を追っている男ではなかった」と認め、「男性は直ちに釈放された」と発表した。

 男性の担当弁護士はAFPに対し、「依頼人は現在住んでいるスペインから来たと話している。先週末にザントフォールト(Zandvoort)で開催されたF1レースの観戦で訪れたそうだ」と語った。

 複数の報道によると、男性は逮捕後、凶悪犯らが収監されている刑務所に移送された。

 担当弁護士は「依頼人が直面した事態は悪夢で、ひどい映画のようだ」と述べた。

 オランダの検察は、男性を逮捕したのはイタリア当局の要請によるものだと釈明。オランダ公共放送(NOS)に「『こいつを逮捕しろ』と言われれば、われわれは逮捕する。それが両国間の取り決めだ」と説明した。

 シチリアの犯罪組織「コーザ・ノストラ(Cosa Nostra)」のボスであるデナーロ被告は、イタリア当局が追う最重要指名手配犯の一人。検察官2人の殺害などに関与し、2002年には被告人不在の裁判で終身刑を言い渡されている。(c)AFP