【9月12日 AFP】11日に行われた全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2021)の女子シングルス決勝で敗れ、優勝を逃した19歳のレイラ・フェルナンデス(Leylah Fernandez、カナダ)が、2001年9月11日の同時多発攻撃後にニューヨークの人たちが見せたような反発力と決意で立ち直りたいと話した。

 フェルナンデスは決勝で、18歳の予選勝者エマ・ラドゥカヌ(Emma Raducanu、英国)に4-6、3-6で敗れ、自身初の四大大会(グランドスラム)優勝という夢はかなわなかった。それでもフェルナンデスは「もちろんつらい」と認めながらも、「おかげでもっと頑張って強くなりたいと思えたし、これからも、この大会に臨んだときと同じハングリーさで、すべての大会に挑みたい」と話した。

 今大会のフェルナンデスは、ニューヨークのファンの大歓声の後押しを受けながら、前回女王の大坂なおみ(Naomi Osaka)、世界ランキング2位のアリーナ・サバレンカ(Aryna Sabalenka、ベラルーシ)、5位のエリナ・スビトリーナ(Elina Svitolina、ウクライナ)というランクトップ5の選手や、グランドスラム通算3勝のアンゲリク・ケルバー(Angelique Kerber、ドイツ)を破って勝ち上がる快進撃をみせた。

 会場のニューヨークはこの日、同時多発攻撃から20年の節目を迎えた。当時はまだ生まれていなかったフェルナンデスだが、自分もニューヨークが示したような強さを持ちたいと観客に語り、「実際にどうだったのか、詳しくは知らないけれど話は聞いている。事件が起こってからしばらく、この街がとても苦しんできたのを知っている。この街の人たちに、自分たちが強さと反発力を持っていることを知ってもらいたかった。信じられない人たちだということを」と話した。

「ファンの人たちがこの場所に戻ってきて、以前のように幸せに元気にしていた。苦しい瞬間には背中を支えてもらい、おかげで強くなれたし、自分をもっと信じられるようになった」

 全米オープンでの飛躍で、今後のライバルに自分の力を示したフェルナンデスは、13日に自己最高の世界27位に浮上する。それでも本人は「人生が大きく変わるとは思わない」と話し、「幸運にも自分には素晴らしいサポートチームと家族がいるから、地に足をつけて進める」と続けた。

「きょうの敗戦は、これからもずっと忘れられないものになる。練習でもっとうまくなりたい、次はもっといい試合がしたいというモチベーションになると思う」 (c)AFP/Jim SLATER