【9月10日 AFP】英情報局保安部(MI5)のケン・マッカラム(Ken McCallum)長官は、米同時多発攻撃から20年の節目を翌日に控えた10日、イスラム主義組織タリバン(Taliban)によるアフガニスタンの全権掌握が過激派を「大胆にした」との見方を示し、さらなるテロ攻撃の可能性に警鐘を鳴らした。

 マッカラム氏は、新型コロナウイルスの感染拡大対策としてロックダウン(都市封鎖)が講じられた時期も含めた過去1年半に、「最終段階」に入っていたテロ計画6件をMI5が阻止したと明かした。過去4年間で見ると、その件数は31件に上るという。

 同氏は英BBCラジオに対し「このうちの多くはイスラム過激派による計画だったが、右派のテロリストによる襲撃計画も増えている」と述べ、「もちろん、私の在任中に英国内でテロ攻撃が起きる可能性もある」と警戒を示した。

 マッカラム氏は、2001年9月11日の国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)による同時攻撃の後、脅威は進化してきたと述べ、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」がインターネット上で共感者らを感化し、過激主義に走らせていることを例に挙げた。

 さらに「アフガニスタンで起きたことが、こうした過激派を鼓舞し、大胆にするのは間違いない」と指摘し、英情報当局は「さらなるリスクが徐々に迫る」可能性を念頭に、対策を練る方針だと述べた。

 現在、英国のテロ警戒レベルは5段階中の3番目で、テロ攻撃が起こり得ることを意味する「サブスタンシャル(相当)」に設定されている。(c)AFP