【9月11日 AFPBB News】照ノ富士(Terunofuji)、豊昇龍(Hoshoryu)、若隆景(Wakatakakage)、王鵬(Oho)──AFP東京支局のマチアス・セナ(Mathias Cena)記者(38)は、スマホアプリの番付表から大相撲九月場所で応援している力士の名前を挙げる。日本に来て10年目を迎えた記者が、相撲との出会いや魅力について語った。

 セナ氏は、2007年の仏大統領選の際に、日本の新聞社のパリ支局助手として働いたことをきっかけに日本語の勉強を始めた。

 現在はAFPの記者として、政治・経済など幅広いテーマを取材している。最近では、照ノ富士の横綱昇進の記事を書いた。

 相撲との出会いは、ちょうど9年前にさかのぼる。友人に誘われ九月場所を観戦。相撲について学び、次第に魅せられていった。番付表やしこ名から漢字を覚え、日本語を勉強。相撲部屋の後援会に入ったり、朝稽古を見に行ったりした。新型コロナウイルスが流行する以前は、東京での本場所に足しげく通った。

「最初に観客を引き付けるのは相撲というショーだと思います」とセナ氏。相撲は神事とプロスポーツだけでなく、興行でもあるからだ。「行司さんと呼び出しさんが衣装を着て、土俵で戦う主役を支える」様子は劇場のようだと語る。

 だが、相撲の観戦を重ねると、その人間味に引き付けられていったと言う。

「若い人が全部を捨てて相撲部屋に入って、毎日きつい稽古をして体を大きくして、一生懸命やっているのが魅力的だと思います」と語る。応援していた若手力士の出世や、けがをした力士の復帰を見ることができるのも喜びだ。また「相撲を通していろいろな世代の日本人とコミュニケーションができること」も楽しいと語った。